ヒト幹細胞の倫理的問題って何?

どの辺が問題となるの考察

ヒト幹細胞エキスは倫理的問題をクリアしているから大丈夫。

そんな風にいうわけですよ、取り扱いあるところはね。

 

でも、そもそも倫理的問題ってなんぞや?

なんてことを思ったわけですよ。

 

例えば、臓器売買のような感じで手に入れた細胞ってのなら

わからなくもないですが、提供者も任意の上のはず。

(そう・・・だよね?汗)

 

何が問題なんでしょう?

 

 

そもそも、この倫理観の話はヒトES細胞など、

ヒト幹細胞の最前線で持ち出された問題なんです。

 

まず、ES細胞はヒトの胚を壊して取り出したものからつくるという点が問題となります。

胚はそのまま胎内にあればヒトとなる存在。

命を奪う行為であるのではないか?というわけです。

 

胚は生命でないから問題ないとすると、どこからが生命なのか?

という難題に答えなければならなくなりますからね。

 

 

もう1つの問題は、イチイチ胚を取り出すのはコストもかさむし、面倒。

そこで胚の複製を大量に作って研究しているわけ。

これはクローンを作っていることに等しく、

胚のクローンを作ることを認めてしまったら、

クローン人間を作ることを認めることになるのでは?

と危惧されているそうです。

 

これもどこからがヒトなのか?

という非常に難しい話になってくるわけです。

 

 

で、ヒト幹細胞エキスはヒトの脂肪細胞を幹細胞化しているので、

どちらの問題も抵触しないということなんだそうな。

 

うーん、脂肪細胞から幹細胞が作れるなら、

わざわざ胚から作る必要なくない?

 

まあ、これはiPS細胞と同じものであるということなのかな?

iPS細胞も理論上はヒトの胚を再現できるものではあるので、

完全に議論の対象外ではないんですけどね。

 

 

 

とはいえ、生命とは何か?ヒトとは何か?

そんな難しい問題は一般で議論することはないわけです。

 

問題は、そのヒト細胞は誰のものか?

どのような経緯で入手したか?

 

ってのは気になるといえば気になると思います。

 

 

まあ、そもそも幹細胞って何?ってのが一般的認識で、

ヒト幹細胞っていわれても、何が凄いのかイマイチピンっとこないのが

現状なんですが、認知されだしたら、避けては通れない問題に

はなると思います。

 

もっとも、ヒト幹細胞を培養して得られるエキスですからね。

他人様の体液であることには変わらないわけで、

倫理的とうより生理的問題をクリアする必要があるわけです。

 

これに対する答えは、徹底的に秘密にするのが最適解であるため、

永遠に付き纏う問題になります。

 

 

また、知らないところで自分の細胞から自分の幹細胞が作られていた・・・

で、そこら中に流通していたらと考えるとちょっと怖い話です。

 

将来的には、しかもそんなに遠くない話で、

自分の幹細胞を作ることが可能になる時代が来ます。

 

そのときには、そんな心配が問題視されることでしょう。

 

自分が死んでも幹細胞は生き続ける・・・

ってのもちょっと不気味な話ですよね。

 

 

 

そもそも、日本国内でヒト幹細胞を培養して、

それを販売することにGOサインがでているわけではないんです。

 

ある日突然、NOを突き付けられる可能性があるとか。

だからあんまり大ぴらにやりたくないってのが本音みたいです。

 

 

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