試作と違う!

試作と本品が別物だったら?!

石鹸、特にコールドプロセスはロットでブレることは多いです。

旧ナチュセラソープも製造するたびに違うもので、ヤキモキしたものです。

 

現ナチュセラソープも、正直ロット間どころか、

同じロット間でブレています。

まあ、手作りゆえにしょうがないことではなるんですけどね。

 

初めから、これくらいブレますよ・・・っていう取り決めを

しているので、うちもそれを受け入れているのですが。

 

 

で、ふっと、製造を失敗したことを思い出したわけです。石鹸のね・・・

今でこそ、笑って話せる思い出ですが、当時はしんどかったですよねー

 

突然の石鹸の廃盤に伴い、急遽、石鹸を新たに作る必要性がでてきたもので、

強行した結果、製造に失敗。

こちらの想定外のものがでてきてしまいました。

 

試作でぎりぎり妥協点だったのですが、

これはあくまで試作機での製造であり、

本チャンはもっとよくなる・・・といわれていたのですがね。

 

 

まあ、原因は鹸化時の温度を上げすぎで、

グリセリンが分離してしまい、固い石けんになってしまったのだそうです。

 

 

このように、試作と明らかに違うものがでてきたら、

損失を被るのは製造側なんですよ。

もちろん、うちも販売の機会を失うので、大きな痛手ではなるのですが。

 

 

だから、試作と本品が違うものが出てくるってことは、まずないです。

作ったはいいが、受け取ってもらえなければ、製造費ももらえないし、

使えないごみを大量に抱え込むことになるし、下手すれば、

損害賠償とかの問題にも発展しかねません。

 

だから、試作で出したものと全く同じものを

本製造で作れるようになってます。

ちゃんとした工場ならね。

 

 

石鹸の工場、特にコールドプロセスをメインでやっているところは、

基本、小さな工場で、手作業でやっているので・・・

例外といえば例外かな。

 

 

試作で透明だったのに、本品は濁ってたとか、

試作では黄色っぽかったのに、本品では無色透明だったとか・・・

 

こんなレベルでも、おそらく製造し直しになるでしょうな。

 

試作と本製造では製造スケールが全然違います。

それでも、長年の経験で、ちゃんと同じものを作ってきます。

これこそがノウハウってやつなんでしょう。

 

だからこそ、歴史が長いってことが信用につながるわけなんです。

 

 

品質管理の体制がしっかりしてきますが、

その反面、なかなか新しい事への挑戦が難しくなってきます。

 

まあ、新しい事に取り組むと、色々面倒な手続きが必要になり、

それを通す審査も厳しきなっており、通らないってこともしばしば。

 

しょうがないことではあるのですがね。

 

 

で、何が言いたいかって?

OEMメーカーも楽じゃないって話。

 

新規で参入するには、試作と本品を同じものにするってことは、

かなり難しく、そこでトラブルを抱えることになります。

 

もし、OEMで一旗あげてやろうと思っているなら(そんな人は少ないでしょうが)

まずは、生産部の人間を何人か引き抜いておく必要がありますよんってことです。

 

できれば中堅くらいが望ましいかな?

大手過ぎると、融通が全く利かない場合が多いらしいですよ。

 

 

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