イソプロピルメチルフェノール

殺菌防腐防カビ剤 ビオゾール

防腐剤の攻防はパラベンを中心に、今もなお行われています。

天然系の防腐剤が一昔前に流行ったわけですが、

安定性が悪いだとか、むしろアレルギーが起きやすいとの問題があり、

下火となってきてはいます。

(まあ、得意な加工先とそうでない加工先があるってだけですけどね)

 

うちもパラベンはNGなんですけど、

ぶっちゃけ、フェノキシエタノールは多くの原料で使われているので、

今更新しい防腐剤にしようとする気はないんですが・・・

 

それでも、新しい防腐剤は気になる存在です。

 

イソプロピルメチルフェノール 商品名はビオゾール。

 

元々、家庭用のハンドソープなどで使われている殺菌剤です。

抗ニキビ薬やシャンプー、歯磨き粉なんかにも使われています。

 

今までは医薬品、医薬部外品でないと使用できなかったのですが、

化粧品にも使用可能になったという原料。

 

従来の防腐剤は静菌作用といって、菌の増殖を抑えるものであるのに対し、

イソプロピルメチルフェノールは殺菌作用、つまり菌を殺す力があります。

かなりの殺菌力で、高濃度の場合は刺激性が高く、中毒性もあるとか。

 

一応、現行の商品ではアレルギー等は確認されていませんが、

あくまで洗い流すものでしたので、スキンケア商品に使った場合は未知数ではあります。

 

とはいえ、使用濃度は非常に低濃度で作用し、

パラベンの約10倍の防腐作用を示しています。

つまり、使用濃度はパラベン以下。

 

0.01%の濃度で十分効果を発揮します。

水虫の原因の白癬菌だって、この濃度で増えることができなくなります。

もちろん、この濃度では低刺激性、非感作性が確認されており、

ヒトへの安全性は確認されています。

 

 

低濃度で扱えるので、パラベンはほかのどの防腐剤よりも優れている・・・

みたいなことを言う人は、割と業界内では多いです。

いわゆるパラベン使用の正当性を主張する人たちです。

 

だったら、さらに低濃度で使えるイソプロピルメチルフェノールは

さらに安全性が高く、今後使用が増えてくる・・・

 

ことはないです(笑)

 

ぶっちゃけ、パラベンの正当性を主張しなければならないのは、

他の防腐剤が使えない、正確には在庫をストックしていない、

安全性、安定性を確認できていない(使ったことないから)という

加工先の諸事情によるものだからです。

 

逆にパラベンは使えないって加工先も増えてきてはいますけどね。

新しい加工先だと、パラベンを使ったことがないってことで、

むしろ在庫もなく、安全性、安定性を確認していないので不安で使えないってわけ。

 

また、殺菌作用ってことで、肌の常在菌の菌叢を荒らすとかいう

輩もでてくることは火を見るより明らかですしね。

 

ちなみに、イソプロピルメチルフェノールは水に溶けないので、

化粧水に入れる場合は特殊な加工を施された10%品を使うことになります。

 

抗酸化作用、紫外線吸収作用、収れん作用などもあり、

優れた原料ではあるのですが・・・

 

ちなみにロットは18kg、少量でいいのにちょっとデカいかな~

 

 

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コメント: 1
  • #1

    (火曜日, 25 10月 2022 22:37)

    JKの臭いになれると言われてるボディソープを使用しています!

    それには有効成分として殺菌剤のイソプロピルメチルフェノールが入ってるのですが、巷では耐性菌ができるから日常的に使ったら駄目だと言う人や、化粧品や医薬部外品の濃度では長期使用しても問題ないって言う人もいます。

    ナチュセラさんは殺菌剤を常用する事に関してはどう考えていますか?