抗酸化の新しいアプローチ keep1-Nrf2システムのよる酸化ストレス防衛機構

体内の抗酸化作用の仕組み

体内の抗酸化機能のスイッチとなるのが、

Nrf2と呼ばれる転写因子。


老化遺伝子を促進するNF-κBと仕組みは同じで、

Nrf2が抗酸化に関わる遺伝子の鍵になります。


体内が酸化ストレス(活性酸素や親電子性物質)にさらされると、

Nrf2が活性化し、各種解毒作用に必要な遺伝子群が

活性化されるというわけです。


一方、非酸化ストレス下ではkeep1と呼ばれる物質が

Nrf2の活性を抑制しています。


正確には、普段はkeep1とNrf2がくっ付いていて、

酸化ストレスによって、バラバラになるという仕組みです。


また、炎症鎮火にも作用しており、

炎症の一因として、マクロファージが作り出す活性酸素があり、

これは、活性酸素で菌やウイルスを殺すわけですが、

周りの細胞にもダメージがあるわけです。


Nrf2の活性がマクロファージの活性酸素産生を

抑制する作用があることから、炎症の鎮火に一役買っていると言われます。

 

その仕組みを利用した化粧品として、

シュープリーム トータルクリームが紹介されていました。

 

うーん、高級感バリバリって感じです。

肌のニーズを読み解くから、もう悩まなくていいそうです。


さて、非常に面白いアプローチだと思います。

抗酸化システムを常にONにして、

肌を酸化から守ろうというわけです。


肌の防衛に必要な200個近い遺伝子を

常に活性化させるということなのでしょうか?


このNrf2の働きが凄いのはわかるんですが、

一体何がNrf2の活性を促進しているのか

一切触れらていません。


とある天然の抽出物か、

それとも新規の合成物なのか・・・


そこを教えてもらわないと、パク・・・じゃなくて、

検証できないじゃないですか~


結局はkeep1とNrf2を切り離す作用があるものですから、

それ自体が酸化作用があるものであれば、

ちょっと本末転倒な気はしないでもないです。


抗酸化システムを活性化させるために、

酸化物質を入れるということですからね。

「毒をもって毒を制す」って感じなのかな?

 

それとは別なのか、同じものなのかはわかりかねますが、

京都大学 久米利明 薬学研究科准教授らにより、

Nef2に着目した研究発表がなされています。

青ジソから老化やメタボリックシンドローム予防に有望な生体内抗酸化力を高める成分を発見


株式会社セラバリューズが出資しているので、

おそらく別のアプローチだと思われます。

ちなみに、この会社はウコンのスペシャリストです。


青ジソに含まれるDDCが、keep1とNrf2を切り離し、

抗酸化遺伝子を活性化させるというお話になります。

生葉の青ジソでここまで明らかな活性があるのであれば、

青ジソをとれば、抗酸化システムを活性化できるといえるかも。


なかなか青ジソを食べる習慣ってないですが、

毎日取ったほうがいいのかな~


花粉症に青ジソがいいって話もありますが、

この辺の仕組みによるものなのかもしれませんね。


化粧品原料では、カンゾウ葉エキスにつづき、

またしても丸善製薬か・・・