潜在意識マーケティング 6つの心理戦略

意思決定には、2種類の思考システムが存在する

マーケティングの本です。

3700円って、毎度思うのですが、高い本だにゃ・・・

 

自分の理解のためにちょっとまとめておこうと思います。

①意思決定には2種類の思考システムが存在する

我々は常に熟考して行動しているわけではありません。

熟考する行為はエネルギー消費が非常に激しいうえ、

時間もかかります。

そのため、無意識に自動で処理してくれるシステムと、

熟考するためのシステムを使いわけています。


驚くべきことに、慎重な思考を司る処理能力を1秒当たり40バイト(bit)とすると、

自動的な思考は1100万バイト/秒に匹敵するそうです。


そのため、ほとんどの情報処理は瞬時に行われます。


広告に対する我々が意識する時間はなんと1~2秒。

その刹那な時間で興味を引かなければならないというわけです。


この自動的思考に強く働きかけるのが、ブランドなのだとか。

上図を見ると、真ん中の四角の濃淡が違ってみると思います。

しかしながら、実際の色は同じ色なんです。

 

これをフレーミング効果といい、

心的構造、固定概念、置かれている環境などなどで、

物の見方が変わるというものです。

 

商品の背景にあるものの1つがブランドであり、

商品決定に大きく作用するというわけです。

 

通常、購入の際には慎重的思考が介入するわけですが、

ブランドにより自動的思考で処理され、熟考することなく

購入にいたるのだそうです。



②購入判断の基本原則

購入判断の脳の論理は「実質価値=報酬-苦痛」となり、

実質価値が高まれば購入に至る可能性が高まるわけです。

まあ、人間の行動は快楽を得るか、苦痛を避けるかの

どちらかといえるので、買い物もそれに従うわけです。


そして、この報酬というのは、

あくまで期待報酬であると。

なぜなら、使ったことない訳ですからね。


この報酬には顕在的価値と潜在的価値があり、

顕在的価値とは、慎重的思考に訴えかけるもの、

潜在的価値とは、自動的思考に訴えかけるものになります。


そして、苦痛も同様に顕在的(価格)と潜在的(行動費用)が

存在しています。


ちなみに、人は苦痛を避けること、リスクを避けることのほうが

行動を起こしやすいといわれます。


例えば、「今買えば1000円お得」よりも

「今買わないと1000円損をする」というほうが売れるというわけ。


また、最終的な意思決定には比較対象が必要になり、

何と比較されるかによって、結果が異なってくる。

(これを意図的に誘導できれば、都合のよい判断へ導くことが可能になるかも)



③自動的思考システムがシグナルを知覚する仕組み

・縦長のほうが容量が多く見える

・ボトルの形、容器の豪華さで中身の評価がかわる

・足らない部分は脳が勝手に補う

・パッケージと商品はリンクする

・色は超重要

・色には暗黙の了解が存在している

・ブランドに関係するシグナル

・新しさと不変なものとを両立させる

・求めている情報への受信は髙くなる

・注目は引き出すものである

・対比で浮き上がらせる

・人の顔は特別な価値を持っている

・第六巻の価格センサーが存在する

 

自動的思考、つまり無意識を意識して商品設計されたものは

知覚されやすく、認知されやすくなるということ。


容器の話は非常に興味深いです。

ある商品サンプルで、ある地域だけ非常に高い評価になり、

その原因が、通常のサンプル容器が不足したため、別の容器

に入れたことによるものだったという話。

中身は同じなのに、見た目が違うと評価が変わる、

つまりフレーミング効果です。


パッケージ、デザインは商品の認識のアンカーとなるので、

ガラっと変えることはリスクです。

某ローヤルゼリーにおいて、高級感を出すためにデザインを

一新したら、売り上げが半分くらいになったということが

実際にありました。これは経験談です。



④意思決定の接点が持つ影響力

意思決定には「何が」だけでなく「どのように」提示されるかも重要。

例えば車の営業マンは高い車を最初に見せることで、

見込み客の価格への認識を変えます。

いきなり100万の車を見せられるより、

最初に150万くらいのを見せてから、100万の車を見せたほうが

同じ価格でも安く感じるものです。


強力な影響力をもたらす小さな工夫

・あらかじめスタンプを押しておくとリピートにつながりやすい

スタンプ集めはこれからではなく、すでに始まっているというフレーミング効果


・価格は数字だけが一番反応率が高い

1000円、¥1000、1000であれば、1000が一番反応率が高い

価格は苦痛であり、価格を示す記号がない方が抵抗が少なくなるわけです。


・同量であれば、プラスよりもマイナスにならないような表現を

損失回避の原則

年間20000円の節約になるというメッセージよりも、

年間20000円の損失をしているというメッセージの方が

行動を起こさせやすい。


説得力を持たせる3つの原則

1.明確性

具体的に知覚できるシグナルは何か?

報酬および苦痛を明らかにするシグナルは?

知覚価値と知覚費用のバランスを改善するシグナルとは?


2.即時性

価値と費用を具体的に認知するまでの時間と空間的距離は?

報酬は直ちに、費用は先延ばしにしたほうがよいと感じる


3.確実性

知覚報酬や損失回避ができるだけ確実なものを選ぶ

行動経済学の大原則


⑤購買行動のきっかけとなるもの

目標価値・・・目標を達成するために商品を買う

顕在的目標(スキンケア効果、安全性など)

潜在的目標(自信を取り戻す、楽しみ、よく見られたいなど)


潜在的目標の6つのカテゴリー

安全:世話、信頼、親近感、安全性、温かさ

楽しさ:安らぎ、解放感、娯楽

興奮:活力、楽しみ、好奇心、変化

冒険:自由、有機、抵抗、発見、リスク

自律:プライド、成功、権力、優位性

規律:正確さ、序列、理論


隣り合うものは近いものがあり、対面は拮抗します。



⑥目標と価値を結びつける

成功しないマーケティング

・マーケティング戦略が消費者の目標と整合しない

・メッセージが潜在的目標を呼び起こせない

・感情重視のマーケティング

・目的の希薄化(あれもこれも)

・好きと欲しいを混同したマーケティング

・経験・知覚できないメッセージ



まだ全然落とし込めてないですが、

マーケティングの見方を変える1冊であるとは思います。


さらに詳しく知りたい方は、書籍を手に取ってみてくださいな。