脂肪酸が短いセラミドの増加は、アトピー性皮膚炎のバリア性の低下と関連している

久々に論文読んだー

最近また、セラミドの事ばかり考えてます。

今がベストかといえば、おそらくそうではないでしょうからね。

 

さて、読んだ論文はこちら。

Increase in short-chain ceramides correlates with an altered lipid organization and decreased barrier function in atopic eczema patients.

J Lipid Res. Dec 2012; 53(12): 2755–2766.より)

 

簡単に言うと、アトピーの原因は何か?

を追究した内容の論文です。

 

以前の研究では、アトピーの原因として、

フェラグリンの生成異常によるもので、

それは遺伝子に依存するといわれていました。

 

しかしながら、アトピーだからといって、

必ずしもフェラグリンに異常があるとは限らないことから、

1つの原因ではあるが、決定的な要因ではないとし、

その原因が、セラミドの短鎖化にあるのではないか?

ということを証明した論文です。

 

 

結論をいってしまえば、アトピーでは

セラミドNP(セラミド3)が減少し、セラミドAS(セラミド5)が増加する。

アシルセラミド(セラミド1、4、9)が減少する。

 

そして、セラミドの炭素数C34が増加する

(これは脂肪酸C16に相当します)

 

ということが判明し、

アトピーのバリア機能の低下はこれらの現象から

起こっていることが示唆されたわけです。

 

そうなると・・・・

まず、アシルセラミドの量を増やすことは、

バリア性の向上に確実につながるわけですから、

増やすべきなんでしょう。

 

長鎖脂肪酸に関しては、若干腑に落ちないわけですよ。

確かに、脂肪酸を伸ばす遺伝子に異常があると、

極長鎖脂肪酸が作られず、C20以下の脂肪酸をもったセラミド

しか作られず、体から水分がどんどん蒸発し、生存不可能になります。

 

この論文からも、短鎖脂肪酸をもつセラミドが増えると、

バリア機能が低下して、アトピーにあるわけです。

 

合成されたヒト型セラミドはC18。

セラミド2もセラミド3もね。

(アシルセラミドは例外的に超長いんですけど)

 

しかしながら、塗布によるバリア性の低下があるかというと、

そういうわけではないんです。

 

例えば、天然ヒト型セラミドと合成のセラミド2の

水分蒸散を比較した試験がありますが、

 

天然ヒト型セラミドはセラミド2の

3倍の保湿力があったとの結果がでています。

 

しかしながら、逆をいえば、合成のセラミド2でも

天然ヒト型セラミドの1/3の効果があるともいえます。

 

天然ヒト型セラミドの推奨量が0.05%ですから、

同様の効果を得ようと思ったら、セラミド2を0.15%

配合すればいいということになります。

 

某商品には4%入っているわけです。

通常の天然ヒト型セラミドの商品と比較してしまうと、

26倍の効果があることになってしまいます。

 

まあ、さすがにそんなことはないのですが、

合成セラミドのバリア性の向上は確かにあるのです。

セラミド3

これはセラミド3配合クリームと

セラミド未配合の比較試験です。

 

同一試験ではないので、一概に比較するのもなんですが、

明らかにセラミド2よりはバリア性が高いことが伺えます。

 

つまり、セラミドの種類によっても

バリア性の差は存在すると言えます。

 

天然ヒト型セラミドのほとんどはセラミド6Ⅱ。

合成のセラミド6Ⅱと比較した場合、

3倍もの差がでるのかどうか・・・

 

個人的な見解では、

セラミドの種類は多い方がよい、

そしてアシルセラミドは必須である、

効果はセラミドの濃度に依存する。

(濃ければよいってもんでもないんですが)

 

脂肪酸の長さは・・・

長いに越したことはないですし、

 

セラミドの小分類も多いに越したことはないのですが、

 

イマイチ、実感がわかないというか・・・

 

まあ、立場上、いいといってますけどね~

 


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コメント: 1
  • #1

    むっくみん (月曜日, 04 6月 2018 00:10)

    はじめまして。
    先日初めてナチュセラクリームとローションを購入した者です。
    衝撃的な変化…は残念ながらありません(あったらそれも怖いですし)が、私のお肌の本能が、『これはいい!』と言っているように思います。

    私は48歳です。
    幼少の頃からひどい、アトピーに悩まされてきました。
    といっても、私が子供の頃には、アトピーという言葉は一般的ではなく、『アレルギー性皮膚炎』と言われ、今思うと乱暴ですが、Eisaiのクリームにステロイドを混ぜた薬を処方され、たっぷりと塗っていたわけです。
    想像の通り、薬なしでは生きていけない肌になり、暇があればかきむしると言う悲しい思春期を過ごしていました。

    それが怖くてある日薬から脱出し、中略しますが、成人してからはひとまず顔だけは、アトピーの痕跡を残さず生きてきました。

    そして今、美容関係の仕事についています。エステ関係ですから、私の回りにはありとあらゆる化粧品が溢れています。

    多分世の中の、いいと言われている6割くらいのモノはためしたんじゃなかろうかと。

    ふと、たどりついたナチュセラ。
    こんな私だからこそ、肌の本能がささやくのを理解してもらえるかもしれません。

    ブログも拝見して、あまりに自由奔放で面白くて共感して、つい読みふけってしまいました。
    あちこち、敵に回しそうだけど、『いいぞーやれやれー‼』ってな気持ちです。

    まず価格から入る化粧品のOEM、よーくわかっていますから、そのへんを突き抜けて我が道を行く御社の考えは斬新で素敵です。

    これから、長いお付き合いをさせてもらうことになりそうなので、どうぞよろしくお願いします。
    世の中のフェイクたちに惑わされない企業姿勢を貫いてくださいますように。これからも期待しています!