発酵セラミド

発酵セラミド(白麹菌抽出物)

東洋新薬の独自の原料「発酵セラミド」

焼酎に使われる麹から、グルコシルセラミドを

高濃度で抽出した原料とのこと。

 

まず、東洋新薬って凄い資金力があり、

なかなか面白い原料を作ってきます。

そして、その原料を販売するのではなく、

原料を使いたければ、企画、製造も東洋新薬で、

というスタイルの営業展開をしています。

 

原料開発のセンスはすごく良いです。

よく、東洋新薬の原料を使いたいと言われましたし、

それの代替品がないんですよね、これが。

 

 

補足ですが、麹菌は白麹、黒麹、黄麹があり、

白麹は焼酎、黒麹は泡盛、黄麹は日本酒をはじめ味噌や

醤油を作るのにつかわれます。

 

さて、この白麹、天然ヒト型セラミドも作ります。

ですから、焼酎もろみに天然ヒト型セラミドが含まれています。

 

そして、弊社で使っている天然ヒト型セラミドは、

焼酎もろみから、天然ヒト型セラミドだけを高濃度で抽出したものです。

 

 

にも関わらず、なぜ敢えてグルコシルセラミドを抽出しているのか?

その理由の1つは、グルコシルセラミドも作っているから。

天然ヒト型セラミドを作る際、グルコシルセラミドは排除されてしまいます。

逆に言えば、この発酵セラミドには天然ヒト型セラミドも含まれている

かもしれませんね。

 

 

もう1つの理由は、特許の問題。

天然ヒト型セラミドの製造は特許を取得しているので、

あと何年かは真似することができないわけです。

 

天然ヒト型セラミドがアルコール抽出に対し、

この発酵セラミドはクロロホルムとメタノールで抽出しているのは、

その辺を意識されてのことなんでしょうね。

 

 

通常のグルコシルセラミド(いわゆる植物セラミド)と何が違うかというと、

セラミド合成に関わる遺伝子の発現量に影響を与えるとか。

 

通常のグルコシルセラミドには、このような作用はありません。

下記タンパク質をコードする遺伝子の発現が高まったとのこと。

(in vitro、つまり試験管内での話ですが)

 

CLDN1(クローディン1)

表皮細胞間を密接に結合させ、皮膚のバリア機能に重要な役割を果たす、

タイトジャンクション形成に関与するタンパク質。

簡単に言えば、細胞同士をつなぐ釘のような役目を果たします。

 

OCLN(オクルディン)

CLDN1と同様にタイトジャンクション形成に関与するタンパク質。

 

TGM1(トランスグルタミナーゼ1)

表皮細胞の成熟の指標として用いられる酵素。主にタンパク質同士をつなぎ

合わせる働きがあります。

 

IVL(インボルクリン)

TGM1と同様に表皮細胞の成熟の指標として用いられるタンパク質。

結びつきを強化する働きがあります。

 

SPTLC2(セリンパルミトイルトランスフェラーゼ2)

セラミド産生に関与する酵素。

 

UGCG(グルコシルセラミドシンターゼ)

グルコシルセラミド産生に関与する酵素。

 

 

グルコシルセラミドが直接的に肌のセラミドを

補うことはできません。

 

そして、セラミド関連の遺伝子に影響を与えないことから、

抽出物に含まれる「何か」によって反応している可能性が高いです。

そして、おそらく含まれているだろう、天然ヒト型セラミドの

作用も大きいのではないか、と推測しています。

 

天然ヒト型セラミドは非常に高額な成分ですが、

安価で出回れば、もしかしたら現状の天然ヒト型セラミドを

食ってしまうかもしれませんね。

 

ただ、東洋新薬で製造しなければならないので、

大きく普及する可能性も低いわけなんですがね。

かなり敷居が高いOEMメーカーですから(笑)

 

 

余談ではありますが、すでに発酵セラミドを名乗っているものがあります。

キッコーマンの「糖セラミド」

こちらは麹ではなくSphingomonas paucimobilis

細菌によってできたグルコシルセラミドです。

 

 

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