原料の専門家なんていないのさ

誰も教えてくれないんですよ、原料について

原料

これは一般的に誤解されていることなのですが、

こういう業界にいる人間は、

皆、原料について詳しいと思っていませんか?

 

残念ながら・・・

一般の人よりも知っているって程度。

 

原料の種類はものすごい数あります。

そして、年々増えていくわけです。

(消えてもいきますが笑)

 

加工先の開発の人間でさえ、

語れる原料なんて、両手で収まるくらいですよ。

 

これには理由がありまして、

1つは原料メーカーは、自社の原料について

以外はほとんど知りません。

 

だって、売るのに必要ないですから。

 

また、商社を挟む場合が多いのですが、

(その理由は口座を増やすと管理が大変なので)

商社の営業マンは当然、ペーパーでの知識しかありません。

というか、ほとんど知らないと言っても過言ではありません。

(価格ですら、即答できないくらいのレベル)

 

それがOEMメーカー、つまり加工先に

情報が入るわけですが、そこに集まる情報は

ものすごい膨大になります。

 

ほっとくと、1週間くらいで資料が

ウンザリするほど積み上がります。

(重複も多々あるのですけどね~)

 

いちいち、検討してらんないわけです。

原料の存在は知られていれば御の字なくらい、

加工先に原料を印象づけるのは難しいわけです。

 

当然、販社にはその情報は降りてこないので、

伝言ゲームはココでストップするのです。

 

では、実際の流れはどのようになるかというと、

 

①販社側からこれ使いたいといわれる

原料指定の場合は、初めてその原料を認識する場合もあれば、

大抵は「マジで、これ使うの?」ということの方が多いかな。

それメインに商品構築しても売れない場合と、

原料が超高いので、原価がエライことになる場合と、

契約とか面倒な原料とか・・・ね。

(重複している場合が多いです笑)

 

②こんなコンセプトで作りたいと言われる

効果効能から原料をピックアップする場合ですね。

同じような案件を何度もしているので、

ピックアップは済んでいて、使いまわします。

開発の部署はあまり認識していないのか・・・

加工先は星の数ほどあるわけですよ。

他との差別化してくんないと、仕事取られる可能性が

高いわけですよね。

ただ、営業マンも詳しいわけではないので、

どうこう言えないってのが現状ですな。

 

③ざっくりおまかせ

この場合は、在庫にある原料、実績のある原料を

(実績とは購入実績であり、効果効能についてではない)

実績のある配合で、サクッと作ります。

 

原料配合は、在庫状況と開発担当の好みで99%決まると

いうわけですわ(笑)

 

気になる原料を片っ端から試してみるっていう変人は

そうそういないわけですよ。

 

サンプルはどこでも、必ず取り寄せます。

ただ、それを試すことはほとんどしませんね。

 

で、原料の組み合わせに関しては、

誰も何も知りません。

エビデンス?そんなもんあるわけないじゃん(爆)

 

原料A、原料B、原料C

個々のデータはありますが、

ABCを比較しているデータもありませんし、

それぞれを組み合わせたものも数値化されていません。

 

ぶっちゃけ、化粧品なんて、

出たとこ勝負なわけです。

 

科学的に配合決めている?

そんなのは幻想ですよー

 

組み合わせのパターンは無限大なわけですからね。

さらに濃度の問題もでてきますから、

さらに複雑化していくわけですよ。

 

作ってしまって、それをジャッジするわけです。

 

個人的には、このアプローチに疑問があるわけですよ。

似たようなものしか出てこないわけですよ、これだと。

 

つまんないというか・・・

 

そのため、うちが取り上げる原料って、

ちょっとマニアックになりがちです(笑)