セラミドを塗ると寿命が縮む?

アポトーシスにより、細胞のサイクルが早くなる??

ちょっと面白い理論を展開している人がいたので、

詳しく調べてみた。

 

セラミドがアポトーシスを誘導因子であり、

アポトーシスによって細胞が死ねば、

余分に細胞分裂が必要になり、

無駄に細胞分裂を繰り返すことになり、

限られた細胞分裂を余分に消費してしまう・・・

だから、セラミドは寿命を縮めるからだけだ、

という理論です。

 

専門用語が多いので、まずは解説していくと、

アポトーシスとは細胞が自然死する現象で、

ほとんどの細胞は、この仕組みをもっています。

 

これが働かない細胞は、無限に増殖を続けます。

それを通常「ガン細胞」と呼びます。

 

アポトーシスは細胞が組織化するうえで、必須の機能です。

 

 

細胞分裂には限りがあるというのは、

シャーレ上では、60回前後、分裂を繰り返した

細胞は、細胞分裂しなくなることが分かっています。

 

そこに要因として、染色体の先端にあるテロメア領域

が短っていき、その限界点まで来ると、細胞分裂

できなくなるためです。

 

テロメアとは、細胞分裂するための定期券みたいなものです。

ガン細胞は、この定期券を偽装しまくれるってことです。

(テロメアーゼで修復されます)

 

ただ、実際ヒトの体ではどうなっているかは、

未だに不明です。

(老化の関わる因子が無数になるので、

決定的要因としては、テロメア説が弱いわけです)

 

簡単に書くつもりが、この時点でうんざりしますね。

 

 

結論からいえば、角質層にある角質細部は、

細胞分裂しません。死んだ細胞だともいえます。

 

そこにセラミドがアポトーシスといっても・・・

 

という話です。

 

細胞分裂は、角質層以下の部分で起こっており、

角質細胞はそれに押し上げられる形でオーバーターンします。

 

所詮、化粧品は角質層までしか届きませんから、

要らぬ心配かと。

 

そもそも、この角化自体がアポトーシスであると

いえるので、それにセラミドが関与していると

いうのは、当然といえば当然で。

 

また、アポトーシスに限らず、細胞の増殖、

分化など、多岐にわらり、シグナル物質として

機能しているのがセラミドです。

 

 

細胞の老化について詳しくはこちら

見ているだけで頭が痛くなるかもしれませんが・・・

各種論文を分かり易く(?)まとめてあります。

 

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