吸収促進剤を用いた皮膚浸透性の改善

吸収促進剤のあれこれ

ヒトの肌は、基本的には

物質を取り込むための器官ではではありません。

 

むしろ、排泄器官と位置づけられています。

よく、アトピーの好転反応にみられる、

肌から毒素を出そうとするからひどくなる、

と言われるのも、そのためです。

 

そのため、スキンケアにとっては、

厄介な壁になります。

 

どんなに高価な、どんなにいい成分を塗ったところで、

肌の表面に留まっていては、無意味です。

 

そのため、あの手、この手で、

浸透性を高めるための手段を研究しているわけです。

 

ただ、吸収促進剤なるものはありますが、

広告のように、ドンドン肌の奥へ入っていくようなことは

できません。

 

また、オーガニック主義者が唱えるような、

角質バリアを破壊しつくしてしまうような

ものでもありません。

 

ある時とない時では、あったほうが、

浸透しやすい・・・

 

そんなレベルだと思ってもらえれば、

認識としては正しいと思います。

 

まず、よく問題になる、

角質をとかす・・・

という言い分ですが、

 

そういうのもあるみたいです。

 

角質溶解性もしくは角質軟化作用がる成分で、

サリチル酢酸類。

 

イボコロリとかで使われます。

魚の目を取ったりするときにも使われます。

 

さすがに、スキンケア商品でこれは・・・

入ってるのもあるみたいですので、

これはマズイかもしれませんね。

 

 

続いて、問題になる界面活性剤

吸収促進で化粧品に配合されているのは、

ショ糖脂肪酸エステル。

 

角層脂質を溶かす作用があるので、

それを利用して、吸収を高めます。

 

界面活性剤はヤバイ!

と騒いでいるのはこれのことかと思われます。

 

界面活性剤の種類は3000種以上あると言われます。

洗浄目的での界面活性剤は、肌の脂質を溶かしますが、

化粧品で配合されているものは、

乳化目的であり、乳化されている状態のものは、

溶かし込む力はほとんどありません。

(安定させているわかですから)

 

あとは、ポリオキシエチレン-2-オレインエーテル

も吸収促進剤として使われる界面活性剤です。

 

どちらも、基本的には低刺激であるとされます。

 

アルコール類

エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールは、

肌からの吸収を促進します。

 

アルコールそのものが、肌に吸収されやすいうえ、

水溶性、脂溶性ともに溶かし込み、

浸透させた後、肌内での溶解性も高めると言われます。

 

「超浸透する!!」という化粧水を作りたければ、

アルコールを沢山使えばいいのです。

例えば、前回ご紹介した、ゆず種化粧水

かなり浸透します。

「そんじょそこらの化粧水よりいいじゃん!」

とたぶん、思うと思いますよ~

 

 

ちなみに、ナチュセラローションにもエタノール

が含まれていますが、原料レベルで含まれているもの

なので、極少量です。

 

ですから、浸透する~といった感じはほとんどないです(笑)

 

エタノールほどではないですが、

2価のアルコールもなかなかです。

エチレングリコールとかペンチレングリコールとか。

 

グリセリンも多価アルコール類なので、

そういう性質もあるといわれます。

 

ニトログリセリンは最たるものですね。

 

脂肪酸

代表的なものは、オレイン酸。

油には油といことで、水よりも油の

ほうが肌へのなじみはよいです。

 

エステル類

酢酸エチル、アジピン酸エチルなどなど。

 

 

多かれ少なかれ、吸収性を高め、

より効果を出すことを目的で、

化粧品は作られています。

 

それらを効果を出すための成分とみるか、

毒とみるかは、消費者の判断ということになります。