ヒト型セラミドの作り方

合成セラミドと天然セラミドの境界はどこ?

天然由来のセラミドは、由来が明確。

馬セラミドなら馬の脊髄、

米セラミドなら米から、

こんにゃくセラミドならこんにゃくから、

 

素肌セラミドは焼酎もろみからです。

 

では、合成セラミド、

特にヒト型セラミドと呼ばれるものは

何から作られているんでしょう?

 

合成の工程は、スフィンゴミエリンを含む水溶液中に、

水と混和する極性有機溶媒下でスフィンゴミエリナーゼ

作用させ、セラミドを回収といったものです。

 

これを見ると、化学合成バリバリじゃん!

って思いますが、スフィンゴミエリンはどうやって

作るの?

 

という話になるのですが、

基本的には酵母菌に作らせています。

 

合成品というと、石油系?

と思う人も多いのですが、

合成品でも元をたどれば、天然になるものも多いです。

 

例えば、ビタミンC。

酸化防止剤としてドリンクなどにも入ってます。

正式名称はアスコルビン酸。

 

遡るとトウモロコシから、数々の化学処理で、

最終的にビタミンCと呼ばれるものになります。

 

さすがに、これを天然のビタミンCと

主張するヒトはいませんが。

 

作らせる酵母には2通りのパターンがあり、

1つは特異的に有用物質、ここではスフィンゴミエリン

を作るものをスクリーニングしていきます。

 

簡単にいえば、自然発生的にできてくるものを

探します。特定の過酷な条件下を作るか、

突然変異を誘発させるか・・・

 

 

もう1つは、遺伝子組み換え。

こっちの方が多分楽で確実。

 

薬ではもう当たりまえです。

 

糖尿病に使うインスリンは、乳酸菌を遺伝子組み換えして、

強制的に作らせているんですよ。

 

まあ、この酵母は多分違うとは思いますが。

 

化学処理をしなければ、

酵母由来の天然セラミドってことでOKなのですが、

敢えて処理しているのはなぜか?

 

セラミドではなく、スフィンゴミエリンだからです。

 

まあ、ぶっちゃけてしまいますが、

1つの成分を抽出する工程は、

かなりケミカルチックですよ?

 

植物にしろ馬にしろ。

素肌セラミドも例外ではなく・・・

 

この、「天然」と「合成」は正直、紙一重なわけです。

天然と合成の差?

 

ちなみに天然セラミドの製造法も簡単に紹介しておきます。

 

①弱アルカリ水解を行う方法

②アルカリ性アルコール溶液で抽出した後、

クロロホルム-メタノール混液を用いて

シリカゲルによる精製を行う方法

③加熱したアルコールを用いる方法

④アルカリ性含水エタノールを用いて、

アルカリ加水分解可能な脂質をアルカリ加水分解して

水溶性として除去する方法

⑤アルコール系有機溶媒にて抽出して得た植物抽出液を、

吸着剤にて吸着処理を行った後、溶出溶媒にて吸着成分を

溶出させた後ろ過を行い、ろ液より溶媒を除去する方法

 

・・・などなど

 

素肌セラミドもアルコール抽出です。

 

当然ではありますが、

有機溶媒は完全に除去しているので、

問題はないです。

 

そもそも、化粧品というのが、

加工品であり、天然ではないわけで。


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コメント: 2
  • #1

    築山 正俊 (木曜日, 15 8月 2013 14:13)

    ミャンマーからメールさせていただいています。蒟蒻を扱っており、こんにゃくの皮を供給できます。興味があれば連絡ください。

  • #2

    森崎 (木曜日, 15 8月 2013 21:29)

    コメントありがとうございます。
    ミャンマーからですか・・・
    ちょっとビックリです(笑)

    残念ながら、弊社は原料の開発を行っている
    わけではありません。
    ですので、原料供給のお話を頂いても、
    お力にはなれませんです。

    強いて言えば、国内では廃棄資材の利用に農商工連が
    関わってた国家プロジェクトな場合がほとんどです。
    まあ、国からお金を貰うだけなのですが・・・
    海外産よりも有利に展開できるようになっています。

    コスト面で圧倒的な優位性を出せれば、
    興味を持ってくれるところが出てくるかもしれません。

    頑張ってくださいね。