セラミドとアトピーの関係

アトピーにセラミドが関わっているのは間違いないわけで

セラミドの代謝経路を勉強しているのですが、

滅茶苦茶ややこしい。

 

こんなに系が入り乱れるのか・・・

といった感じです。

 

さて、アトピーとセラミドの関係は、

代謝経路を見ると、一目瞭然です。

 

通常、

 

グルコシルセラミド

⇒(βグルコセレブロシダーゼ

セラミド

⇒(セラミダーゼ)⇒スフィンゴシン

 

の流と、

 

スフィンゴミエリン

⇒(スフィンゴミエリナーゼ

セラミド

⇒(セラミダーゼ)⇒スフィンゴシン

 

となるが、

(括弧は酵素です)

 

アトピーだと

 

グルコシルセラミド

⇒(グルコシルセラミドデアシラーゼ

グルコシルスフィンゴシン

 

 

スフィンゴミエリン

⇒(スフィンゴミエリンデアシラーゼ

スフィンゴシルフォスフォリルコリン

 

となり、セラミドの生成が不足するとのこと。

セラミドを合成する酵素が仕事していないので、当然の結果ではあるのですが。

 

さらに、スフィンゴシルフォスフォリルコリンは

炎症因子であり、炎症を誘発するといわれます。

 

 

ただ、これでもまだ、

アトピーの原因解明にはなっておらず、

セラミドが不足するからなのか、

炎症因子ができるからなのか、

はたまた別の原因があるのか、

決着はついていない状況です。

 

 

ただ、セラミドが1つのアレルギー反応の抑制

効果があるとのことから、セラミドを外部から

補うことは、何かしらの効果が期待されると

思われます。

 

 

上記の反応経路により、セラミドが不足するわけですが、

その結果、肌のバリア機能や保湿性が低下します。

 

それが遺伝的な要因なのか、別の因子があるのかは不明ですが、

その結果、本来肌に入ってこれない物、カビとかホコリが

肌に侵入してきます。

 

それを退治しようと、免疫が集まってきて、攻撃をします。
これが炎症であり、かゆみやかぶれの原因となります。

 

そして、肌は慌てて壁を修復しますので、

脆い、未完成な壁ができます。

この突貫工事が上記のアトピーの反応経路であり、

結果として未完成な壁になるとも言われています。

 

さらに、炎症により起こる痒みで、

掻いてしまうので、この脆い壁はあっさり壊されてしまいます。

 

 

この悪循環の、どこがスタート地点か、

が結局は分からないってことなのです。

 

逆に言えば、この負の連鎖を止めるのであれば、

炎症を抑えてもよし、セラミドを補ってもよし、

痒みを抑えて掻くのを抑えてもよし、というわけです。

 

 

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