天然セラミドと呼ばれる植物セラミド。
セラミドに糖がくっついたグルコシルセラミドです。
塗布では、肌にセラミドと糖を分解する酵素は存在しないので、
セラミドとして使えませんが、体内には存在しますので、
消化吸収し、体内で組みなおすことができます。
コメセラミド(玄米) 一丸ファルコス
コメセラミド(米糠、米胚芽) オリザ油化
こんにゃくセラミド ユニチカ
甜菜セラミド 明治フードマテリア
トウモロコシセラミド 辻精油
そのほか、大豆、小麦、舞茸、リンゴ、パイナップルから抽出したセラミドがあります。
1つの原料に対して、複数の会社が販売しており、
しかも高価な原料なので、各社エビデンスが欠かせません。
(薬事法の絡みで、データは公開していませんが)
(こんにゃくセラミドの経口投与による皮膚アレルギー抑制効果)
一般的にヒトでは食事からのセラミド摂取量は
約50~290mg/日といわれます。
正直、不足することはありません。
にも関わらず、メーカー推奨量は
0.6mg~1.2mgで効果があったとのデータがでてきます。
食事全体から見れば、極僅かな量を取ったくらいで
変化があるはずがないのです。
仮に、摂取したセラミドが肌に到着したとしても、
1mgは皮膚全体の0.0001%未満に過ぎないわけです。
とはいえ、経口投与でのデータは、
概ね良い結果がでています。
この説明として、食事で摂取するセラミドは、
膜構造を取っていて、分解しづらいため、
ほとんど吸収されないと考えられます。
一方で、サプリメントの原料は膜構造が壊れた、
単体としてセラミドが存在するので、
消化吸収がよいのではないか?
といわれます。
また、植物セラミドは吸収されても、
再排出されるといわれ、吸収率が非常に悪いといわれます。
また、1mg程度のセラミドで、肌に影響が出る説明としては
弱いと言わざる負えません。
現在、有力な仮説としては、
吸収されたセラミドが、
セラミドの合成を促進する因子になるのではないか?
というものです。
通常、あまり消化吸収されないセラミドが、
サプリメントにより効率よく吸収され、
結果として、セラミドの合成を促進した、と考えれます
「素肌ウォーター」というグルコシルセラミド含有ドリンクで、
資生堂が特定保健用食品(トクホ)表示許可の申請を行っています。
2012年10月18日継続審議となった
食品安全委員会第87回新開発食品専門委員会(非公開)
の議事録が公開になり話題になりました。
現段階では、内閣府消費者委員会の新開発食品評価第二調査会で
グリコシルセラミドを関与成分とし、「肌が乾燥しがちな方に適する」旨を
保健の用途とする食品(飲料)が有効性の審査を通過し、
食品安全委員会で安全性に関する審査を受けています。
(認可される日も近いというわけです)
メカニズムはともかく、効果があることが
公的機関で認められたということです。
ちなみに、素肌ウォーターのセラミドはこんにゃく由来です。
一番上が紫芋(綾紫)の焼酎もろみ、
二番目がサツマイモ(黄金千貫)の焼酎もろみ、
三番目が醤油粕です。
青の部分がグルコシルセラミド、赤の部分がセラミド
ナチュセラの素になっているのは、
二番目の黄金千貫の焼酎もろみ。
実際の原料では1g中0.6mgのグルコシルセラミドが含まれる
というデータが出ているので、上図では多く出過ぎているとしても、
セラミドとしても同等か、それ以上含まれていると考えられます。
グルコシルセラミドではなく、セラミドとして摂取できる食品は
今のところ、焼酎もろみ以外存在しないわけです。
さらに、グルコシルセラミドも特徴的で、
長鎖脂肪酸の割合が多いです。
コメセラミドではC18-C20、
こんにゃくセラミドではC18、
甜菜セラミドではC16-C18です。
また、焼酎もろみのセラミドは
サツマイモを麹菌が発酵する過程でできているものなので、
由来は麹菌の発酵物というのも他とは違うところです。