浸透を促す成分・・・

タイトジャンクションを緩めるだと?!

新日本製薬、名古屋大学、BeCellBarとの共同研究で、

フェルラ酸、センブリエキスに肌の透過性を高める効果があることを発見し、

特許を取得したとのこと。

 

浸透性を高める方法は色々ありますが、今回の話はタイトジャンクション(TJ)を

緩めることで浸透性を高めるってアプローチになります。

 

 

TJってのは簡単にいうと、細胞間を埋めているもので、

第二の肌バリアといわれています。

肌のキメに直接的に関わっており、TJが乱れると肌のキメが乱れることになります。

 

TJはクローディンとJAM-Aというタンパク質で構成されます。

 

TJは、皮膚の水分蒸散や外部からの異物侵入を防ぐ重要な役割になっていますが、

この接着力が強すぎると、化粧品の有用成分が肌の奥まで届きにくくなります。

まあ、化粧品の浸透って※角質層までって制約があるのですが、

見ての通りTJは角質層の下にあるわけ。

本来であれば関係ないよね?って話ですが、実際はそうではないってのは

百も承知でして。

 

ヒトの皮膚細胞を使った実験で、フェルラ酸とセンブリエキスがクローディンの量を

減少させることが確認されたってわけです。

フェルラ酸はコメヌカなどに含まれているポリフェノールの一種。

高い抗酸化作用があるほか、紫外線吸収剤としても使われます。

センブリエキスは血管拡張作用があるため育毛剤でよく使われます。

 

おそらくですが、併用することでより高い効果が得られるのではないかと。

どちらかといえば、フェルラ酸のほうが効果は高いです。

 

即効性が高いため、クローディンの産生を抑制するというものではなくて、

直接的にクローディンを減らすって効果だと思われます。

 

浸透性が高まるならいいじゃん・・・

とはならんのよなー

 

TJは関所であって、水分の蒸散を防ぐほか、菌などの侵入を防ぐものでもあります。

また、肌の透明感とかキメだとか見た目に直接的に関わってきます。

一次的に浸透性を高めるってのであれば問題はないのですが、

クローディンというタンパク質に何かしらの悪さをしているわけです。

それは本当に一時的なものなのか?って話です。

たとえ一時的だったとしても、毎日使うのであれば、TJが脆弱になっている

状態が常態化することになるのではないか?

 

浸透しにくいって状態はそれだけ肌が良い状態であるわけで、

無理して浸透させる必要がある?

 

 

逆にTJを整えるってことで、採用が増えているといわれている

一丸ファルコスのマンダリンクリア。

マンダリンオレンジ果皮エキスになるわけですが、

TJ形成を促す効果があります。

つまり、クローディンやJAM-Aを増やす効果があるわけです。

 

もしかしなくても、結果的には浸透性は悪くなると考えられます。

ただ、浸透しやすい肌よりも、透明感があってキメが細かい肌のほうが

よくね?って個人的には思うんですけどねえ。

 

 

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