サッカリンにがん抑制効果?!

発がん性があると言われていたサッカリンですが・・・

サッカリンとは、人工甘味料としてかつてはよく使われていたものです。

いまでは漬物とか歯磨き粉くらいしか見かけなくなりましたが。


1970年代、米国立がん研究所において、

ネズミの実験で発がん性が確認され、人工甘味料としての使用が

禁止された経緯があります。


その後、1991年にはネズミの実験は人では当てはまらないとして、

安全宣言されています。


日本においては、アメリカで使用が禁止されても、

特に規制はありませんでした。

強いて言えば、表記してもしなくても良い添加物として分類されました。

(現在は食品は全表示義務がありますが、かつては指定成分のみで良かったわけです)


正直いえば、私もサッカリンに対してはいいイメージはありません。

入っていると、ついつい避けてしまいます。

 

そんなサッカリンですが、実は発がん性どころか、

ガンを抑制する効果があるとの報告があったわけです。

 

甘味料「サッカリン」、かえってがん細胞の成長を遅くした、発がん性が言われたが

 

サッカリンが悪性のがんで見られる「炭酸脱水酵素Ⅸ」という酵素と結合することで、

ガンの増殖を抑制するそうです。

この酵素はがん細胞の水素イオン濃度(pH)を調節するものです。

体は弱アルカリですが、酸性よりになると病気になると言われます。

だからアルカリ食品を食べろという話は聞いたことあると思います。

 

ガン細胞は健康な弱アルカリの状態よりも、より酸性よりに傾いた方が、

増殖には有利になるわけです。

(最も中性で人は死にますけどね)

 

つまり、サッカリンがガンに最適な環境を作る酵素の働きを邪魔する作用があるわけです。

一方で、この酵素は体内のほかのほとんどの細胞ではほとんど存在しないので、

健康な組織には影響がないとのこと。

サッカリンの効果に基づく薬が開発されれば、がん細胞の成長を遅くすることで

他の抗がん剤や放射線治療の効果を増強できる可能性が期待されています。


よくある抗がん剤とは違い、作用メカニズムがはっきりしている点、

健康な細胞には影響を与えないという点で、かなり現実的な話だと思います。

まだ、試験管の中での話ですが、もしかしたら薬として世にでてくるかも。

 

 

サッカリンの経緯に関してはこちらでまとめられているのでご参考までに。

 

単回投与は1回で毒性が示される量。

ネズミで17.5g/kgなので、例えると60kgの人が1kgサッカリンをとれば

毒性がありますって話です。

 

まあ、すべての物が取り過ぎれば毒になります。

砂糖や塩だって、取り過ぎれば毒。

過ぎたるはなんとやら、です。

 

反復投与では毒性が否定的な結果になり、

決定的だったのがサルで試験によるものです。


遺伝子変異性、生殖発生での異常も見られなかったとなっています。

 

うーん、今使われている甘味料より安全かも・・・?!



とはいえ、人工甘味料に関する論争は、

色々な利害関係があり、鵜呑みにできないところがあります。

(これに関しては、どの業界も同じ)


むやみに避ける必要はないでしょうが、

積極的に取るものでもない、というのが

今のところは無難だと思われます。



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