セラミド入りヨーグルト

ヨーグルトと取るとミルクセラミドの吸収が2倍になるとか

東京女子医科大学皮膚科学教室主任教授の川島眞教授から、

コラーゲンペプチドおよびミルクセラミドを含むヨーグルトの臨床試験」の

中間報告が行われました。



実験は、20歳以上50歳未満の女性39名を対象に、

4週間毎日、コラーゲン1g、ミルクセラミド(スフィンゴミエリンとして10mg)を強化した

LB81乳酸菌入りヨーグルトを75g食べました。


対象者は前腕部か頬が乾燥し、直近2週間の排便回数が週2回以上4回以下の人たち・・・

つまり乾燥肌で便秘気味な女性になります。


結果はバリア機能の改善、角層水分量の向上、乾燥肌の改善、炎症の抑制などが

確認されたとのこと。

そして、ミルクセラミド単体摂取よりもヨーグルトと摂取することで吸収量が2倍になったとか。


まず、ヨーグルト75gがどのくらいの量かというと、

4個くっ付いているやつの1個分の量に相当します。

森永の方は80gだからちょっと多いです。


コラーゲンと呼ばれるものは全てコラーゲンペプチドで、

酵素処理により細かくされています。

(分子量は1000~10000くらい)

コラーゲン1gは摂取量としては少ないほうです。

ドリンクとか10gとか入ってるやつはザラにありますからね。


ですから、この結果に対し、コラーゲンが関与している割合は

かなり低いと考えられます。


コラーゲンとヨーグルトを一緒にとると効果が上がるなんてこと、

一言もいってませんしね。


そして、ミルクセラミドですが、こちらも例にもれず厳密にはセラミドではないです。

植物セラミドがセラミドに糖が結合したグルコシルセラミドであるのに対し、

ミルクセラミドはリン皮質膜になります。


牛乳は水分と油が混ざった状態です。

(水と油を混ぜることを乳化というのはこのためです)


乳脂肪をリン脂質膜が包み込むことで、

水に分散している状態を維持しています。


ミルクセラミドは牛乳から水分とタンパク質を除去したものです。

そして、スフィンゴエミリン(リン脂質)を含んでいます。



植物セラミドとの違いは、植物セラミドはグルコシルセラミドが単離化合物

であるのに対し、ミルクセラミドは膜構造をとっているということ。

簡単にえいば、ミルクセラミドは消化しにくい形になっているということ。


植物セラミドだと推奨量が0.6~1.2mgなのに対し、

こちらの実験ではスフィンゴミエリンとして10mg。


これは利用効率の差によるところだと思われます。


さて、ヨーグルトと一緒にとれば、血中のスフィンゴミエリンの吸収が2倍

になったとのことですが、ここでも補足が必要になります。


そもそも、牛乳にもスフィンゴミエリンが含まれています

もちろん、ヨーグルトにもね。

一緒にとれば当然、血中のスフィンゴエミリンの量はあがります。


つまり、吸収量が上がるというより、摂取量が増えていることによる

変化ではないか?と。

若干はよくなる可能性はありますが、2倍とまではいかないのではないか、

という気はしないでもないです。


仮にヨーグルトの乳酸菌が分解、吸収を助けてくれるってのなら、

ミルクセラミドでなくてもよく、植物セラミドでも吸収効率が上がる

はずです。


まあ、植物セラミドは元々吸収率はよく、

利用率が低いという話なので、あんまり変化はないかも。

(一旦吸収しても、排泄してしまいます)


ミルクセラミド入りのヨーグルトがいいんだ!

って方向に誘導したいのか、

それともヨーグルトにサプリを入れて摂取するという

スタイルを確立したいのかは定かではありませんが・・・


ヨーグルトに混ぜることを前提のサプリとか面白いかもしれませんね。