老化にかかわる遺伝子の発現

老化現象を制御する遺伝子のON/OFF

人の体の個々の細胞の中で、

遺伝子はすべて働いているわけではありません。

 

遺伝子にはONとOFFがあり、

状況に応じて、その発現を制御しています。

 

例えば、若い時はONなのに、

老化と共にOFFになる遺伝子があります。

 

例えば、DNA複製に関する遺伝子がOFFになると、

細胞分裂能が落ち、代謝が遅くなります。

 

代謝に関与する遺伝子がOFFになれば、

当然代謝が落ちます。

 

逆に、歳をとるとONになる遺伝子もあります。

 

例えば、コラーゲンを分解する酵素(コラゲナーゼ)が

ONになれば、コラーゲンが分解され、

結果としてお肌のコラーゲンが減少します。

 

セラミドも一緒ですね。

 

なぜ、歳をとると色々なものが減少するか?

1つは分解遺伝子が活性化するわけです。

あとは、ストレス反応に関する遺伝子、

炎症反応に関する遺伝子、

なども老化と共に活性化します。

 

遺伝情報には「死」がプログラムされているわけです。

 

もし、これをコントロールできれば、

抗老化、つまりアンチエイジングに大きく貢献することができるわけです。

 

この老化遺伝子を抑制する方法が、

実はあるんです。

 

誰にでもできます。

その方法は「カロリー制限」

 

正直、まだ人間では証明されてはいないのですが、

動物実験では、確実に寿命が延び、死後も

通常よりも細胞が若々しく保たれているとか。

 

生命を維持するために、

様々な機能を抑える結果として、

老化遺伝子を抑制するのではないかと考えられています。

実は、ダイエットの後に、

リバウンドするのもこの仕組みのためだと言われます。

 

極度のカロリー制限により、

この生命維持システムが働き、

省エネモードになり痩せにくくなる・・・

男性で1800kcal/日、女性で1200kcal/日

に抑えることが望ましいと言われます。

 

昔から「腹八分医者いらず」といいます。

 

また、酵素学の知見で言えば、

消化酵素を大量に使うと、代謝酵素に回せず、

結果、代謝が遅くなり、老化や疾患の原因になる

とも言われます。

ただ、カロリー制限をしなくても、

それと同じような効果がある・・・かもしれない

方法も見つかってます。

 

ちょっとだけ流行った

「レスベラトロール」

 

NHKでも取り上げられ、

長寿遺伝子を発現する成分として

とりあげられました。

 

ただ、今もレスベラトロールのサプリメント

飲んでいる人は少ないと思います。

 

なぜって?

 

効果が全く分からないからです。

 

長寿遺伝子が働く?

それは死期が来たときに初めてわかるわけです。

 

結果として、一時的な流行で終わってしまいました。

(期間で3週間くらいかな)

 

もし、キャッチコピーを、

「老化遺伝子の発現を抑制する」

という風であれば・・・

 

結果は違っていたかもしれません。

 

歳をとると、老化する遺伝子のスイッチが

ポンポンONになっていくイメージは

やっぱり恐怖を覚えますからね。

 

レスベラトロール、

もしかしたら老化を抑制してくれるかもしれませんし、

もしかしたら意味がないかもしれません。

 

動物実験では優位な結果がでてますが、

人では否定する結果がでてもいます。

 

人の場合は、環境のほうが要因としては

大きいからだと推測されます。

 

結論をいえば、食事は腹八分で我慢するのが

一番健康に良い。

 

レスベラトロールは補助的に使う程度

と考えておくこと。

 

がいいんじゃないかと思われます。

 

 

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