角質バリアをぶっ壊して、保湿成分を表皮に届ける?

ちょっと不思議な話です。

 

ヒトの肌は角質層で守られていて、

どんな保湿成分もそのバリアを越えることはできず、

保湿成分を肌に届けるためには、

バリアを壊さないといけない。

 

バリアを壊すために、化粧品には

界面活性剤が使われている。

 

使えば使うほど、その保湿剤に依存する

ようになる・・・

 

まあ、完全な与太話ですが、意外に信じているヒト多いんですよね。

これもお客様から聞かれて、初めてそんな話があること知りましたから。 



だから界面活性剤は悪だ!!

というオーガニック主義者(もどき)の意見です。

 

化粧品の原料には、界面活性剤作用のあるものが入っています。

油と水を混ぜ込むための乳化剤としてね。

 

どうもこれがバリアをぶっ壊す成分であると

勘違いされている、もしくは勘違いさせようと

していると推測されます。

 

 

100%角質層でブロックするわけではなく、

肌のバリアは選択性があり、必要なものは

肌から吸収することはできます。

(コラーゲンやヒアルロン酸は大きすぎて無理ですが)

 

また、親油性であれば、細胞間脂質に溶けて、比較的、浸透はします。

(角質層までと言っといた方がいいかな?)

 

わざわざ、ぶっ壊す必要はありません。

 

確かに、界面活性剤は、肌の脂分を溶かしてはがす性質はあります。

石鹸の汚れを落とすのは、その仕組みを利用しているからです。

 

そして、細胞間脂質の主成分である、

セラミドも溶かし込んでしまいます。

 

過度な洗顔はセラミドの流出による

乾燥肌を作り出すのも事実。

 

 

しかし、クリームや化粧水に含まれるのは、

すでに乳化剤として、界面活性剤としての仕事を終えています。

 

水と油をすでに溶かし込んでいるので、

洗浄力はゼロです。

 

まさか、クリームや化粧水で洗顔はしませんよね?

(泡立つクリームとか面白そうだけど)

 

そもそも、角質層をぶっ壊しても、それを補う技術がありません。

 

食器洗い洗剤であれば、角質層をボロボロに

できると思いますが、それをケアできるような

ものは、正直ありません。

 

仮に界面活性剤で角質層をぶっ壊して、

潤い成分で潤いを与えるなんてことはできません。

即効でガサガサですよ。


そもそも、角質層までしか浸透しない(建前上ね)のにね~

まあ、乳化剤は使わなくていいなら、使わないに越したことはないですけどね。


ちなみに、この界面活性剤=悪の構図の発端は、

食器洗剤で肌がガサガサになることから、

化粧品で使われているもの同じだと考えている人が出てきたからなんでよ。

もちろん、んなわけないです。


また、界面活性剤が肌に蓄積するとか言っている人もいますが、

残念、肌には蓄積しません。

ほとんどは肝臓に運ばれ、解毒分解されます。

肝臓に蓄積?そこまでの量を体に入れてないのでそれもないです。

(毎日1000倍量摂取すれば蓄積するかもしれませんが、あり得んことです)

羊水に泡が?いやいや、あれ都市伝説ですよ。

そんな例は存在しません。



あと、これと近い話が、


化粧水なんて浸透するわけない。

肌から浸透するなら、お風呂に入ったらぶよぶよになる。

ならないんだから、浸透しない。


本気で言っているのか、だます気でいっているのか、

正直判断つかないのですが、


いやいや、長く風呂にはいったら、手がふやけるじゃん。

手だから?いやいや、どざえもんは・・・やめときましょう。

化粧水、意味あるのでご安心を。



まあ、情報戦なんですよね・・・

ホントっぽさとショッキングさがいい塩梅の話は、

皆飛びつきますからね。

そういう話の方が面白いですし。

<<<前                              次>>>